
シフォンケーキ作りやガトーショコラ作りで失敗してしまった経験はありませんか?
その原因は「メレンゲ」にあるかもしれせん。
泡立てが甘かったり、逆に泡立てすぎてぼそぼそになってしまったり、、、
お菓子作りに頻繁に登場するメレンゲですが、レシピにある文章の表現だけでは、どこまで泡立てたらいいのかの見極めが難しく苦手意識を持っている方が、多いのではないでしょうか?
そこで今回は、メレンゲの性質について詳しく解説しつつ、文章では分かりにくい作り方のコツについてご紹介したします。

メレンゲとは、卵の卵白をふわふわに泡立てたもののことです。
メレンゲを使ったお菓子で代表的なものは、やはりシフォンケーキでしょう。お菓子の生地に空気を含ませることでふわふわした触感や軽い口当たりを与えてくれます。
ところで、メレンゲは卵白をホイッパーやハンドミキサーで撹拌することにより作られますが、なぜ液体状の卵白がふわふわに空気を含んだメレンゲに変身できるのでしょうか?
それは、卵白に含まれるたんぱく質の性質、「起泡性」と「空気変性」の力を利用しているからです!
卵白は、「起泡性」という空気を抱え込む力と、「空気変性」という空気に触れることで硬い膜を作る力を兼ね備えているからこそ、泡立てた卵白はふわふわに膨らみ、形をキープすることができるんです!
実は、メレンゲ作りの一番のポイントは、「砂糖」を加えるタイミングです。
その理由は、砂糖は甘さを加えるだけではなく、メレンゲ作りを左右する重要な2つの性質を持っているからです!
卵白がメレンゲに変身する仕組みはたんぱく質の力のおかげでしたよね。
しかし、卵白だけを泡立てたメレンゲは、きめが粗く時間の経過とともにタンパク質と水分が分離することによって気泡がつぶれてしまうんます。
そこで、タンパク質と水分の分離を防ぐ役割を果たしてくれるのが、「砂糖」です!
砂糖は、水分となじむ「保水性」という性質を持っているため、卵白に含まれる水分となじむことでタンパク質との分離を防いでくれます。つまり、卵白に加える砂糖が、メレンゲの気泡をつぶれにくく安定させる力を発揮してくれるということです。
しかし厄介なことに、砂糖はたんぱく質の「起泡性」を抑制する性質も持ち合わせています。砂糖を加えることできめが整い泡がつぶれにくくなる一方で、メレンゲが泡立つのを妨げてしまう性質も持ち合わせています。
そのため、ふわふわに泡立った気泡をキープできる理想のメレンゲを作るには、「砂糖」を加えるタイミングや分量を工夫しなければ失敗してしまいます。
調理師 就活はこちらメレンゲといっても、用途に合わせて様々な種類があります。
その中でも、最も頻繁にお菓子に使われるフレンチメレンゲの作り方について詳しく解説していきます!
フレンチメレンゲとは、卵白に砂糖を数回に分け加え泡立てることによって作る、一番オーソドックスなメレンゲのことです。
フレンチメレンゲは、メレンゲの種類の中で最も手軽に作ることができるのですが、一番安定性が悪かったり、作るお菓子によってベストなメレンゲの状態が異なったりするため非常に失敗しやすいです。
それに加え、ネットや本にあるレシピでは「ピンと角が立つまで混ぜる」であったり、「角がお辞儀するぐらいまで混ぜる」など抽象的な文章が多いため、どこまで混ぜていいのかを判断するのも難しいです。
そのため、今回は製菓学校で学んだ上手なメレンゲの作り方を画像付きで解説していきたいと思います!
・卵白 2個分
・グラニュー糖 70g
※画像ではこの分量で作りましたが、配合が変わっても作り方は変わらないのでお手持ちのレシピの分量に合わせて作ってくださいね!

冷たい卵白と、きれいなボール
冷蔵庫から出したての冷たい卵白と、水分や油分のないきれいなボールを用意します。
そして、必ず卵黄の混じっていない卵白を使用してください。
少しでも油分や水分が入ると卵白は泡立ってくれません。
また、メレンゲ作りは手際も重要になるので、もちろん砂糖も事前に計量しておいてくださいね!
①ボールに入れた卵白に、ティースプーン一杯分の砂糖を加える製菓学校で習った裏技なのですが、泡立て始める前に、まずティースプーン一杯分の砂糖を卵白に加えます。
これは、砂糖の「保水性」を利用して、メレンゲのキメを整え安定させるためです。ただし、入れすぎると反対に砂糖のせいで泡立ちにくくなるため注意が必要です!

②卵白のコシを切る
卵白はよく見ると、さらさらとした部分とドロッとした部分があります。
メレンゲを作るにあたって、全体的に偏りなく泡立てることが大切なので、このサラサラの部分とドロッとした部分を混ぜ合わせて均一にします。
ハンドミキサーの高速で、全体が「ビールの泡」ぐらいになるまで軽く泡立てます。時間の目安でいうと、約30秒ほどです。

③砂糖を加え、少し跡がつくくらいまで泡立てる
ビールの泡状まで泡立った卵白に、約1/3の砂糖を加えてハンドミキサーの高速でまんべんなく泡立てます。
写真のように、ボールに残ったメレンゲに何となく跡がつくくらいが目安です。
スフレチーズケーキに使う場合は、このくらいの固さが丁度いいでしょう。

④また砂糖を加え、しっかり跡がつくまで泡立てる
ふわっと泡立った卵白に、残り半分の砂糖を加え、再びハンドミキサーの高速で泡立てていきます。
写真を見ると、工程③よりもボールの中のメレンゲの跡がしっかり残っているのがわかりますよね!
ここで泡立て終えている人も多いかもしれませんが、しなやかで強度のあるメレンゲを作るにはもう少し撹拌する必要があります。

⑤残りの砂糖を加え、メレンゲがハンドミキサーの刃に残るくらい泡立てる
しっかり跡のついた卵白に、残りの砂糖を加え、再びハンドミキサーの高速で泡立てます。
写真を見ると、工程④では刃にメレンゲがついていませんが、工程⑤の写真では刃の内側にメレンゲが残っていますよね!これが出来上がりのサインです!
実際泡立てる中で、工程④から工程⑤にかけてメレンゲ自体が重くなり刃に絡むようになるのが実感できると思います。

⑥ハンドミキサーの低速で気泡のキメを整える
最後に、ハンドミキサーの低速でボール内をゆっくり一周泡立てます。
最初からハンドミキサーの高速で泡立てるため、メレンゲの中の気泡は大きいものと小さいものが混在しています。
そのため、最後にハンドミキサーの低速で大きい気泡を小さく整えます。これで、しなやかだけど強度のあるメレンゲの完成です!

砂糖を4回に分けて加えるタイミングが最大のポイントです!
細かく分けて加える理由は、砂糖の性質を最大限に生かすためです。砂糖はメレンゲを安定させる性質と、泡立ちを邪魔する性質を持ち合わせているからこそ、少量ずつ分けて加えることで泡立てつつ気泡を安定させているのです。
メレンゲは、お菓子作りの基本であるため様々なお菓子の工程で登場しますよね。
一方、なかなかコツがつかめず失敗を繰り返す中で、メレンゲ作りを避けてきた方もいるかもしれません。
しかし、そんなメレンゲも、性質や原理を理解することで工程の中でのポイントや注意点への理解も深まったのではないでしょうか。
上達するには練習あるのみですが、メレンゲが上手に作れるようになると、シフォンケーキやガトーショコラ、ブッセなど、お菓子作りの幅がグッと広がるため、ぜひ工程画像を参考にメレンゲ作りをマスターしてみてください!

この記事書いた人 ナナ
他の記事を見る⬇︎